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【食の専門家解説】犬は栗を食べられる!皮は大丈夫?栗きんとん、栗ご飯は?嘔吐やアレルギーに注意!

【食の専門家解説】犬は栗を食べられる!皮は大丈夫?栗きんとん、栗ご飯は?嘔吐やアレルギーに注意!

秋の味覚である栗は、甘くほくほくしている食感が人気の食材ですね。

犬は栗を食べることができますが、与える際には様々な注意点があります。

今回は、栗の皮や、栗ご飯・栗きんとんなどの加工品は食べられるのか、栗アレルギーや嘔吐について、栗の適量や与え方、栄養素などを、ペットフーディストの目線で詳しく解説します。

目次

犬は栗を食べられる

栗は、犬にとって害となる成分が含まれていないため、食べることができます。

天然の甘さがある栗は、犬も喜んで食べる食材です。

皮は食べても大丈夫?

栗には、かたい外側の皮の「鬼皮」と、薄い内側の皮の「渋皮」の2種類の皮があります。

犬に栗を与える時は、どちらの皮もむいてから与えましょう。

鬼皮はかたいため、そのまま食べると胃腸を傷つけたり、喉に詰まって呼吸ができなくなる危険性があります。

一方で渋皮は、食物繊維が多くてうまくかみ砕くことができず、消化不良をおこす場合があるので注意が必要です。

栗をむく作業は大変ですが、半日前後水に浸しておくと、鬼皮が柔らかくなりむきやすいですよ。

また、水の代わりにお湯で浸すと、30分から1時間程度で鬼皮が柔らかくなります。

栗の皮はかたくてむきづらくて、手間がかかりますよね…。

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市販のむき甘栗で、調味料・添加物が入っていないものなら与えても大丈夫です!必ずパッケージの裏面の原材料を確認してから与えましょう!

犬は栗きんとんを食べてもいい?

秋になると、様々な栗の加工食品がお店にならびますね。

その中でも栗きんとんは、数多く見られる栗の加工食品ではないでしょうか。

お店で売られている栗きんとんは、人間用に砂糖やクリームなどが入っているため、犬に与えない方がよいでしょう。

砂糖などの調味料を入れずに手作りすると、犬と一緒に食べられますね!

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天然の甘みが強いさつまいもを混ぜて作ると、砂糖がなくても素朴な甘みをかんじられるので、おすすめです!

さつまいもは栄養価が高く、犬に与えたい食材のひとつです。

さつまいもに関しては、以下の記事をご覧ください!

犬に栗ご飯を与える際に気をつけること

家庭で栗ご飯を作ると、愛犬にも少し食べさせたいですよね。

調味料や香辛料、ネギなど、犬の健康を害するものを入れずに作れば、犬も食べることができます。

犬に栗ご飯を与える際は、消化しやすいように栗を小さく切ってから与えましょう。

市販のお弁当の栗ご飯や、栗ご飯の素は、人間用に作られているため、犬にとって害となる成分が入っている可能性があります

そのため、市販の栗ご飯は犬に与えない方が安心です。

栗の主な栄養素

ここで、栗の主な栄養素をご紹介します。

糖質

栗には炭水化物が豊富に含まれています。

炭水化物は、糖質と食物繊維で構成された栄養素です。

栗を加熱すると、栗に含まれているデンプンが分解されて糖質になるため、糖質が豊富な栗は甘くなります。

糖質はエネルギー源で大切な栄養素ですが、過剰に摂取すると肥満の要因となってしまうので、おやつやトッピングとして適量を与えましょう。

食物繊維

食物繊維には、「不溶性食物繊維」と「水溶性食物繊維」の2種類があり、栗は両方の食物繊維を含んでいますが、特に不溶性食物繊維が多く含まれています。

不溶性食物繊維は腸の動きを活発にして排便を促し、水溶性食物繊維は整腸作用や満腹感、血糖値をゆるやかに上げる効果があります。

栗は食物繊維を豊富に含んでいるので、食べ過ぎると嘔吐や下痢をする可能性もあるため、注意が必要です。

食物繊維といえばさつまいもの印象ですが、実は栗の方が食物繊維が豊富です!

ビタミンC

栗にはビタミンCが豊富に含まれています。

ビタミンCは、抗酸化作用やコラーゲンの合成に欠かせない水溶性のビタミンです。

ビタミンCは熱に弱く加熱すると分解してしまうのですが、栗に含まれるデンプンが保護してくれるので、ビタミンCを効率よく摂取できます。

ビタミンB1

ビタミンB1は、疲労回復や糖質の代謝にかかわる水溶性のビタミンです。

栗にはビタミンB1が豊富に含まれています。

カリウム

カリウムは、細胞や神経、心臓、筋肉が正常に機能するために必要なミネラルです。

電解質のひとつであるカリウムは、体内の水分量のバランスを調節したり、腎臓が尿を作るときに必要な働きをします。

栗にはカリウムが豊富に含まれています。

腎臓病や心臓病の犬は、カリウムの摂取を制限する場合があるので、かかりつけの獣医師と相談してから栗を与えてください。

銅はミネラルのひとつで、体内の多くの代謝反応に必要な成分です。

栗には銅が豊富に含まれています。

一部の犬種で、銅が肝臓に過剰に蓄積してしまう遺伝の病気があることがわかっていますので、注意が必要です。

銅に注意した方がよい犬種
  • ベドリントン・テリア
  • ウエスト・ハイランド・ホワイト・テリア
  • ドーベルマン・ピンシャー
  • ダルメシアン
  • ラブラドール・レトリーバー
  • コッカー・スパニエル  など

心配な方は獣医師に相談してください。

犬に与える栗の適量

栗は、犬に必要な栄養素がすべて含まれているわけではありません。

主食は総合栄養食のフードにして、栗はトッピングやおやつとして与えましょう。

栗には食物繊維が豊富に含まれているため、食べ過ぎると嘔吐や下痢をする可能性があります。

お腹がよわい犬は特に注意し、少量づつ様子を見ながら与えてください。

犬に与えてよい栗の量は厳密には決まっていませんが、おやつとして与える場合・トッピングとして与える場合の目安は以下のとおりです。

  • 栗をおやつとして与える場合は、栄養バランスを崩さずに与えられる量として、1日に食べるフードの10%程度とします。(主食のフードが90%、おやつが10%です。)
  • 栗をトッピングとして与える場合は、主食のフードを減らし、栄養バランスが崩れないように、1日に食べる主食の10~20%程度を目安とします。(主食のフードが90~80%、トッピングが10~20%です。)

年齢や活動量、健康状態によっても適量は違ってきますので、様子をみながら与えるようにしましょう。

また、栗だけではなく他の食材もおやつやトッピングで与える場合は、その分も含めて主食・トッピング・おやつの割合を計算して与えます。

主食のドッグフードの適量については、こちらをご覧ください!

栗の与え方

犬に栗を与える際は、鬼皮と渋皮をむいてください。

そして、生の栗はかたいので必ず茹でる・蒸すなどをして、柔らかくなった栗を与えましょう。

栗に含まれるデンプンは加熱すると消化しやすくなるので、加熱調理をして与えると安心です。

与える際は、愛犬が食べやすいように小さく切って与えます。

細かく刻んだりすりつぶしたりペースト状にすると、小型犬でも安心ですね。

栗は水分が少ないため、細かく刻んで与えたとしても一気に食べると喉につまる可能性があるので注意しましょう。

犬に栗を与える際の注意点

犬に栗を与える際に注意すべき点をご紹介します。

与えすぎない

栗は糖質が豊富に含まれている食材なので、食べ過ぎるとカロリー過多で肥満の要因となります。

また、栗をたくさん食べて主食のフードが食べられないことがないように、愛犬が栗をほしがっても適量を守って与えてください。

前述した通り、栗には食物繊維が多く含まれているため、多量に摂取すると嘔吐や下痢をする可能性があるので注意しましょう。

散歩中に誤って食べないように注意する

散歩をしていると、地面に栗がおちているのを見かけることがありますね。

栗のいがは、犬が誤って食べると口の中や食道に刺さり、とても危険です。

また、鬼皮はかたくて喉に詰まって窒息してしまう可能性があり、渋皮も食物繊維が多くて消化不良をおこす場合があります。

散歩中に愛犬が誤って栗を食べないように、十分に気をつけましょう。

人間用の加工食品は与えない

秋になると、栗を使ったお菓子や料理がお店にならびます。

栗を使った食品は、モンブランやマロングラッセ、栗ようかん、栗まんじゅう、そして、栗きんとんや栗ご飯など、たくさんありますね。

これらは人間用に調理されたものなので、調味料や添加物など、犬にとって健康を害するものが入っているかもしれません。

人間用に加工された栗の食品は、犬に与えないようにしましょう。

秋の味覚である栗を愛犬と楽しみたい場合は、調味料などが入っていない、原材料が栗のみのものを選ぶと、一緒に食べることができます。

お店で売られている天津甘栗(焼き栗)や甘栗は、調味料や添加物が使われていないものであれば、犬に与えても大丈夫です。

前述しましたが、栗きんとんや栗ご飯をご家庭で作る場合、調味料を使わずに作って、栗本来の素朴な甘みを愛犬と一緒に楽しんでくださいね!

腎臓病や心臓病の犬は注意する

栗にはカリウムが多く含まれています。

カリウムは、体内の水分量を調節する機能があり、犬に必要な栄養素のひとつですが、慢性腎臓病が進行すると、余分なカリウムを体外に排出できなくなるため、カリウムが蓄積され、高カリウム血症になるおそれがあります。

高カリウム血症は、神経症状や吐き気、重症化すると不整脈や心停止の可能性がある病気です。

そのため、慢性腎不全と診断されている犬は、腎臓に負担をかけないようにカリウムの過剰摂取を避ける必要があるのですが、制限するかどうかは病状によって違います。

腎臓病はタンパク質やリンの摂取制限がありますが、それよりも慢性腎不全が進行した病状からカリウムの摂取制限が必要になるといわれているからです。

心臓病もカリウムが体にたまりやすく、高カリウム血症になると不整脈や心停止する可能性があるので注意が必要です。

カリウムの制限が必要かどうかは病状によって違いますので、栗を与える際はかかりつけの獣医師に相談してください。

犬が栗を食べて嘔吐する原因

栗は犬にとって害となる成分は含まれていませんが、場合によっては嘔吐する可能性もあるので注意しましょう。

犬が栗を食べて嘔吐する原因は、次のようなことが挙げられます。

  • 栗は食物繊維が豊富に含まれているので、与えすぎ与える大きさによっては消化不良をおこし、嘔吐や下痢をする可能性があります。
  • 生の栗はかたく消化に悪いので、生栗を食べると嘔吐や下痢をする原因となります。
  • アレルギー症状で嘔吐している可能性があります。

上記のことに注意して愛犬に栗を与えましょう。

栗を食べてアレルギー症状はでる?

食物アレルギーは、タンパク質に対して免疫が異常に反応することで発症します。 

栗はアレルギーを起こしにくい食材ですが、タンパク質がわずかに含まれているため、アレルギー症状がでる可能性もあります。

はじめて犬に栗を与える際には、アレルギー反応がでないか様子を見ながら少量づつ与え、他に新しい食材を与えないようにしましょう。

そうすることで、もしアレルギー症状がでた時に、どの食材が原因なのか特定できます。

アレルギーの主な症状
  • 皮膚が赤い
  • 身体のかゆみ
  • 特定の部位をかきむしったりかんだりする
  • 毛が抜ける
  • 嘔吐
  • 下痢
  • 1日の便の回数が多い
  • 食欲不振   など

少量づつ与え、愛犬の様子を見て、アレルギー症状がでた場合は与えるのをやめ、動物病院を受診しましょう。

アレルギー症状は数日たってから現れることもあるので注意しましょう!

まとめ

今回は栗について詳しくまとめました。

栗を与える際の注意点や与え方、適量などを参考にしていただき、愛犬と幸せなおやつ・ごはんの時間をお過ごしください!

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