栄養価が高いブロッコリーは、フードのトッピングとして愛犬に与えたい食材のひとつですね。
犬はブロッコリーを食べることができますが、与える際には注意が必要です。
今回は、犬はいつからブロッコリーを食べられるのか、ブロッコリーの茎やブロッコリースプラウトは食べても大丈夫なのか、栄養素や与える際の適量、調理法、注意点などを、ペットフーディストの目線で詳しく解説します!
犬はブロッコリーを食べられる
ブロッコリーは犬にとって健康を害する成分が入っていないため、食べることができます。
ブロッコリーは多くのビタミンとミネラルが豊富に含まれているので、フードのトッピングとして愛犬に与えたい食材のひとつです。
茎は食べても大丈夫?
ブロッコリーは花蕾を食べるのが一般的ですが、茎や葉も食べられます。
茎には花蕾よりも多くのビタミンCが含まれているので、愛犬にも与えたい部位ですね。
しかし、茎は食物繊維が豊富で表面がかたいので、皮を厚めにむき、やわらかくなるまで加熱してから与えましょう。
細かくきざんで与えると良いですね!
冷凍ブロッコリーは食べても大丈夫?
野菜が高騰する中、市販の冷凍野菜を活用されている方も多いのではないでしょうか。
ブロッコリーも常備しておけば、手軽に食べられて便利ですよね。
犬は冷凍ブロッコリーを食べることができます。
犬に冷凍ブロッコリーを与える際は、内臓を冷やさないように必ず解凍してから与えましょう。
生で食べても大丈夫?
犬に生のブロッコリーを与えることもできますが、生のブロッコリーは非常にかたく消化に悪いです。
消化を助けるためにも、ブロッコリーは加熱してから与えるとよいですね。
特にブロッコリーの茎はかたいので、柔らかくなるまで加熱してから与えてください。
毎日食べても大丈夫?
ブロッコリーは栄養価が高い食材ですが、与えすぎると逆に栄養バランスが悪くなる可能性があります。
犬は元々野菜を消化するのが苦手なため、多量に与えると消化不良をおこし、嘔吐や下痢を引き起こす要因となるので、毎日与えない方がよいでしょう。
また、ブロッコリーにはシュウ酸が多く含まれています。
毎日食べると、シュウ酸カルシウム結石の原因となるおそれがあるので注意が必要です。
犬はブロッコリースプラウトを食べられる?
ブロッコリースプラウトにはブロッコリーよりも多くのスルフォラファンが含まれており、注目されている食材ですね。
スルフォラファンは、強力な抗酸化作用や抗炎症作用、解毒作用などがあり、肝臓の機能の改善効果が期待できる成分です。
ブロッコリースプラウトは、犬も食べることができます。
犬にブロッコリースプラウトを与える際は、水洗いしてから細かく切ってフードにトッピングしましょう。
ブロッコリースプラウトは辛みや刺激性があるので、食べ過ぎると嘔吐や下痢を引き起こす可能性もありますし、栄養価が高いため過剰摂取は健康を害することもあります。
ブロッコリースプラウトを与える際は少量にしましょう。
犬はいつからブロッコリーを食べられる?
ブロッコリーは、子犬からシニア犬まで食べられる食材です。
しかし、ブロッコリーは食物繊維が豊富に含まれているため、消化器の機能が未熟な子犬に与える時は注意しましょう。
ブロッコリーはよく加熱し、細かくきざむかミキサーにかけたものを少量与え、様子を見てください。
時々吐いたり、便がゆるくなることがある1歳未満の子犬は、ブロッコリーは食べない方が安心です。
1歳以降の犬は、個体差はあるものの消化器が発達しているので、持病やアレルギーがない犬には安心してブロッコリーを与えることができます。
ブロッコリーの主な栄養素
ここで、ブロッコリーの主な栄養素をご紹介します。
食物繊維
食物繊維には、「不溶性食物繊維」と「水溶性食物繊維」があります。
ブロッコリーには両方の食物繊維が含まれていますが、特に多いのが不溶性食物繊維です。
不溶性食物繊維は腸の動きを活発にして排便を促し、水溶性食物繊維は整腸作用や満腹感、糖質の吸収をゆるやかにする効果があります。
ブロッコリーには食物繊維が豊富に含まれているため、過剰に摂取すると逆に便秘がひどくなったり、嘔吐や下痢をする可能性があるので注意しましょう。
ブロッコリーをよく加熱すると、食物繊維がやわらかくなります。
お腹が弱い犬には、食物繊維がやわらかいブロッコリーを与えると安心ですね!
ミネラル
ミネラルは、健康を保つために欠かせない栄養素のひとつです。
それぞれの成分が助け合い、体の構成や調整などの役割を担って、体の様々な機能を正常に維持する働きをしています。
ブロッコリーは、カルシウム、マグネシウム、亜鉛、リン、鉄、銅、カリウムなど、数多くのミネラルが含まれている食材です。
中でも、ブロッコリーにはカリウムが多く含まれています。
カリウムは、細胞や神経、心臓、筋肉が正常に機能するために必要なミネラルです。
電解質のひとつであるカリウムは、体内の水分量のバランスを調節したり、腎臓が尿を作るときに必要な働きをします。
腎臓病の犬はカリウムの摂取を制限する場合があるので、かかりつけの獣医師と相談してからブロッコリーを与えてください。
ビタミン
ブロッコリーにはビタミンC、ビタミンB群、ビタミンE、ビタミンK、葉酸など、多くのビタミンが含まれています。
その中でも特に豊富に含まれているビタミンは、下記のとおりです。
ビタミンC | ビタミンCは、抗酸化作用やコラーゲンの合成に欠かせない水溶性のビタミンです。ブロッコリーに含まれるビタミンCは、野菜の中でもトップクラスの含有量を誇ります。 |
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ビタミンK | ビタミンKは血液の凝固を助けたり、骨にカルシウムを沈着させ骨の形成を促進させる働きがあります。骨を丈夫にする効果が期待できるので、骨がもろくなってくるシニア犬に特に摂取させたい栄養素です。 |
葉酸 | 葉酸は赤血球をつくる役割をもつビタミンB群のひとつで、貧血の予防に効果があります。妊娠中の母犬や成長期の犬には、特に大切な栄養素です。 |
ビタミンC、ビタミンKは、体内で合成できる栄養素です。
βカロテン
ブロッコリーにはβカロテンが多く含まれています。
βカロテンは、体内で必要量に応じてビタミンAに変換されます。
粘膜や皮膚の保護、抗酸化作用、がん予防効果などが期待される、健康でいるための大切なビタミンです。
スルフォラファン
ブロッコリーにはスルフォラファンが含まれています。
前述したとおり、ブロッコリースプラウトにはスルフォラファンが多く含まれていますが、ブロッコリーにも少量のスルフォラファンが含まれています。
スルフォラファンには強力な抗酸化作用や抗炎症作用、解毒作用などがあり、肝臓の機能の改善効果が期待できる成分です。
スルフォラファンはイソチオシアネートの一種ですが、イソチオシアネートは辛み成分で刺激があるので、犬の胃腸を悪くし嘔吐や下痢を引き起こす可能性もあります。
ブロッコリーにはイソチオシアネートは少量しか含まれていませんが、ブロッコリーを与える際には愛犬の様子を見ながら少量づつ与えると安心ですね。
犬に与えるブロッコリーの適量
ブロッコリーは、犬に必要な栄養素がすべて含まれているわけではありません。
主食は総合栄養食のフードにして、ブロッコリーはおやつやトッピングとして与えましょう。
ブロッコリーにはビタミンやミネラルが豊富に含まれていて栄養価が高い野菜ですが、与えすぎると逆に健康を害するおそれもあります。
下記の目安を参考に、愛犬の様子を見ながらブロッコリーを与えてください。
- ブロッコリーをおやつとして与える場合は、栄養バランスを崩さずに与えられる量として、1日に食べるフードの10%程度とします。(主食のフードが90%、おやつが10%です。)
- ブロッコリーをトッピングとして与える場合は、主食のフードを減らし、栄養バランスが崩れないように、1日に食べる主食の10~20%程度を目安とします。(主食のフードが90~80%、トッピングが10~20%です。)
年齢や活動量、健康状態によっても適量は違ってきますので、様子をみながら与えるようにしましょう。
また、ブロッコリーだけではなく他の食材もおやつやトッピングで与える場合は、その分も含めて主食・トッピング・おやつの割合を計算して与えます。
主食のドッグフードの適量については、こちらをご覧ください!
ブロッコリーの与え方
生のブロッコリーは消化に悪いため、加熱してから与えてください。
茎はかたくて食物繊維が豊富なので、茎を与える際は、厚めに皮をむいてからやわらかくなるまで加熱しましょう。
加熱したブロッコリーは、丸のみ防止や消化を助けるためにも、細かくきざんだりミキサーにかけてから与えるとよいですね。
ブロッコリーの調理方法
ブロッコリーの加熱方法はいくつかあります。
- 茹でる
- 蒸す
- 電子レンジで加熱する
電子レンジは短時間で手軽に加熱でき、水溶性ビタミンの栄養を損なわないというメリットがあります。
その反面、電子レンジの加熱ではブロッコリーに含まれるシュウ酸を排出できません。
シュウ酸を多く摂取すると、シュウ酸カルシウム結石の原因となるおそれがあります。
シュウ酸は水溶性のため茹でることで減らせますので、愛犬には茹でたブロッコリーを与えましょう。
ブロッコリーを食べる大きさに切ってから、たっぷりのお湯で茹でます。
ゆで汁にはシュウ酸が溶け出しているので、捨ててください。
カリウムを減らして愛犬に与えたい方も、ブロッコリーを食べる大きさに切ってから茹でこぼしましょう!
ブロッコリーを茹でると水溶性ビタミンであるビタミンB群やビタミンCが水に溶け出してしまいますが、しっかり茹でることで食物繊維がやわらかくなり、シュウ酸も排出することができます。
塩茹でしたブロッコリーは食べていい?
私たちはブロッコリーを茹でるとき、退色を防ぐために塩を入れて茹でますよね。
塩を入れて茹でると、塩の加減にもよりますが、塩分の過剰摂取になる可能性があります。
犬に与えるブロッコリーには塩は入れずに茹でましょう。
犬にブロッコリーを与える際の注意点
犬にブロッコリーを与える際に注意する点をご紹介します。
与えすぎない
ブロッコリーには食物繊維が豊富に含まれているので、過剰摂取すると消化不良をおこし、嘔吐や下痢を引き起こす可能性があります。
また、ブロッコリーに含まれる辛み成分のイソチオシアネートは、胃腸が弱っている時に食べると刺激が強く、嘔吐や下痢をするおそれがあるので注意が必要です。
ブロッコリーは栄養価が高いため、食べ過ぎると栄養バランスが悪くなる可能性があります。
適量を守ればとても健康的な食材なので、愛犬の様子を見ながら与えすぎないように気をつけましょう。
シュウ酸に気をつける
ブロッコリーにはシュウ酸が含まれています。
シュウ酸を多量に摂取し続けると、シュウ酸カルシウム結石の原因になる可能性があるので注意が必要です。
シュウ酸は水溶性のため、茹でることで減らせます。
ブロッコリーは食べる大きさに切って、たっぷりのお湯で茹でて愛犬に与えましょう。
ゆで汁にはシュウ酸が溶け出しているので、捨ててください。
尿路結石の犬や、尿路結石を経験したことがある犬は、ブロッコリーを与えない方がよいでしょう。
アレルギー、持病がある犬は注意する
ブロッコリーは犬にとって害のない食材ですが、持病がある犬、服薬中の犬には、与えてはいけない食材になる場合もあります。
特に、腎臓病や尿路結石症、甲状腺機能低下症の犬は、ブロッコリーを与える際はかかりつけの獣医師に相談しましょう。
また、稀にブロッコリーを食べてアレルギー症状が出る犬もいます。
はじめてブロッコリーを与える際は、様子を見ながら少量を与えましょう。
心配な方は、かかりつけの獣医師に相談してください。
病気やアレルギーの注意点は、以下の記事をご覧下さい!
まとめ
今回はブロッコリーについて詳しく解説しました。
ビタミンやミネラルが豊富に含まれているブロッコリーは愛犬に与えたい食材ですが、過剰に摂取すると栄養バランスが悪くなり健康を害する可能性もあります。
与える際の適量や注意点などを参考にしていただき、愛犬と幸せなごはん・おやつの時間をお過ごしください!