MENU
ソラ
ペットフーディスト
愛犬のアレルギー発覚を機に、ペットフーディストの資格を取得しました。
犬のごはんや愛犬との暮らしで気になったことを発信します。
ごはんを通して、愛犬との暮らしがさらに豊かになりますように…!
カテゴリー

【食の専門家解説】犬のごはんの適切な量は?パピーやシニア、小型犬から大型犬まで計算式と早見表を紹介!

【食の専門家解説】犬のごはんの適切な量は?パピーやシニア、小型犬から大型犬まで計算式と早見表を紹介!

愛犬にフードを与える際、パッケージに書かれている「給与量の目安」を参考にしてフードの量を決めていませんか?

同じ体重の犬でも個々で活動量(運動量)が違うので、パッケージに書かれている目安量でフードを与えると、多すぎたり少なすぎたりすることがあります。

「ダイエットをがんばっているのになかなか成果が出ない」という方は、もしかしたら愛犬に与えるフードの適量が違っているのかもしれません。

今回は、年齢や体型、ライフスタイルによって異なるドッグフードの適正量を、計算式をご紹介しながらペットフーディストが順を追って詳しく解説します!

目次

いま食べているフードの量は愛犬にとって適切な量?

ドッグフードを与える際、フードのパッケージに書いてある「給与量の目安」を参考にして、愛犬に与える量を決めている方が多いですよね。

もちろん「給与量の目安」は参考になりますが、あくまでも「目安」です。

同じ体重の犬でも運動量が異なることによって消費するカロリーも違いますし、年齢や体型、避妊・去勢処置の有無、ライフスタイルなどがそれぞれ違うので、フードの適正量は個々で違います。

フードの「給与量の目安」で愛犬に与える量を決めていて、なかなか体重コントロールがうまくいかず悩んでいる方は、愛犬に合ったフードの量を計算してみるとよいですね!

どのように計算するのか、順を追って解説していきます。

個々によって1日に必要なエネルギー量はちがう

【食の専門家解説】犬のごはんの適切な量は?パピーやシニア、小型犬から大型犬まで計算式と早見表を紹介!

健康や適正体重を維持するために必要なエネルギー量は、年齢や運動量、健康状態、環境によって個々で違います。

そのため、愛犬に必要な1日のエネルギー量を計算する必要があるのです。

安静時エネルギー要求量(RER)を計算する

安静時エネルギー要求量(RER)とは、健康な犬が普通に生活しているものの、1日中安静に過ごしている時に必要なエネルギー量のことです。

愛犬のRERを知るためには、次のような計算をします。

愛犬の体重(kg)0.75×70

なんだか計算するのが難しそうですね…

ソラ

この計算式は、「√」の機能がついている電卓で次のように計算すると求められます!

体重(kg)×体重(kg)×体重(kg)=√√×70

例として、体重6kgの場合のRERを計算してみます。

6を3乗する

6×6×6=216

216の表示に電卓の√を2回押す(iPhoneの電卓を使う場合は、画面を横向きにして「2√x」を2回押す)

216√√=3.83365862…

その値に70をかける

3.833…×70=268.35…

よって、体重6kgの犬の1日のRERは、268kcalです。

RER早見表

小型犬・中型犬・大型犬のRERの早見表を作成しました。

よろしければ参考にしてみてください!

小型犬中型犬大型犬
1kg…7010kg…39425kg…783
1.5kg…9511kg …42326kg …806
2kg…11812kg …45127kg …829
2.5kg…13913kg …47928kg …852
3kg…16014kg …50729kg …875
3.5kg…17915kg …53430kg …897
4kg…19816kg …56031kg …920
4.5kg…21617kg …58632kg …942
5kg…23418kg …61233kg …964
5.5kg…25119kg …63734kg …986
6kg…26820kg …66235kg …1007
6.5kg…28521kg …68736kg …1029
7kg…30122kg …71137kg …1050
7.5kg…31723kg …73538kg …1071
8kg…33324kg …75939kg …1092
8.5kg…34840kg …1113
9kg…364
9.5kg…379

愛犬のRERと、後述する活動係数をかけると、1日に必要なエネルギー要求量(DER)がわかります。

愛犬の活動量(係数)

犬は個々で活動量が異なります。

年齢や環境、生活もそれぞれ異なりますので、下記の活動の「係数」を計算に用いる必要があります。

係数は、1日に必要なエネルギー量がRERの何倍になるのか、目安となる数です。

離乳期から成長期係数
生後4ヶ月まで(小型犬)3
生後5ヶ月まで(大型犬)3
~7、8ヶ月2
~12ヶ月1.6~1.8
成犬係数
現状維持1.0~1.8
避妊・去勢処置済1.4
避妊・去勢処置なし1.6
活動量が少ない・肥満傾向1.2
使役犬2~8
安静時1
高齢係数
シニア犬1.4

使役犬(警察犬、牧羊犬、盲導犬など)やショードッグ、競技犬は、活動量以外にストレスによるエネルギー消費量が大きいので、係数も個体差があります。

係数は目安なので、愛犬の体重をはかって過不足があれば調整しましょう。

1日に必要なエネルギー要求量(DER)を計算する

さて、愛犬のRER(安静時エネルギー要求量)と係数がわかったところで、1日に必要なエネルギー要求量(DER)を計算しましょう。

DERを求める式は以下のとおりです。

RER×係数

例として、体重6kg成犬で去勢処置済の犬のDERを計算してみます。

体重6kgの場合のRERの求め方(詳細はこちら)

6×6×6=√√×70=268.35…

RERは268kcal

成犬・去勢処置済の係数(係数の表はこちら)

1.4

DERを求める(RER×係数)

268.35…×1.4=375.69

よって、体重6kg・成犬で去勢処置済の犬のDERは、376kcalです。

1日あたりのドッグフードの給与量を計算する

1日あたりのドッグフードの給与量は、愛犬のDER(1日に必要なエネルギー要求量)がわかると計算できますが、もうひとつ必要なのが、ドッグフードの100gあたりのカロリーです。

ドッグフードのパッケージには必ず100gあたりのカロリーが書いてあります。

1日あたりのドッグフードの給与量(g)を求める式は以下のとおりです。

DER(kcal)÷ME(kcal)×100     (MEはドッグフードの100gあたりのカロリー)

例として、体重6kg・成犬で去勢処置済み(DER…376kcal)の犬(DERの求め方はこちら)で、MEが358kcal/100gの場合の1日あたりのドッグフード給与量(g)を計算してみます。

376÷358×100=105.027…

よって、DERが376kcal・MEが358kcal/100gの犬の、1日に必要なドッグフードの給与量は、105gです。

RER、係数、DERを計算して、愛犬に与えるフードの適正量がわかりました!

ソラ

愛犬の体や便の状態を観察し、体重をはかって、過不足があれば係数を見直してもう一度計算してみましょう!

パピーのドッグフードの適正量

パピーの時期は、筋肉や骨など体をつくるために多くの栄養を必要とします。

成長期はパピー用の栄養価が高いフードを与えますが、1日に与えるフードの量も成犬と比べて2~3倍と多いです。

ここで改めて子犬の時期の活動係数をご紹介します。

離乳期から成長期係数
生後4ヶ月まで(小型犬)3
生後5ヶ月まで(大型犬)3
~7.8ヶ月2
~12ヶ月1.6~1.8

1日あたりのドッグフード給与量の計算をするときに、上記にあてはまる係数で計算することで、パピーのドッグフードの適正量がわかります。

係数はあくまでも目安なので、愛犬の様子をみながら調整してください。

1日あたりのドッグフード給与量の計算方法

RER…体重(kg)×体重(kg)×体重(kg)=√√×70(RERの求め方の詳細はこちら)

RER×係数=DER

③DER(kcal)÷ME(kcal)×100=1日あたりのドッグフード給与量

MEはドッグフードの100gあたりのカロリー(フードのパッケージに書いてあります)

パピーは消化器官が未熟なため、1回でたくさんの量を食べることができません。

1回あたりの給与量を少量にし、複数回与えることで、消化不良を防ぐことができます。

シニアのドッグフードの適正量

シニア期に入ると老化がはじまり、体の機能が衰えてくるため、老犬期をサポートする栄養素が含まれているシニア用のフードを与えます。

シニア期は活動量が減り、基礎代謝が低下して太りやすくなるので、シニア用フードを適正量与えることで、食べ過ぎによる肥満を防ぐことができます。

高齢係数
シニア犬1.4

シニア期は長く、活動量や筋肉量の低下も個々で違うので、愛犬の様子を見ながら係数を調整してフード給与量の計算をしてください。

1日あたりのドッグフード給与量の計算方法はこちら

老化が進み、筋肉量が低下すると、消化器症状(便秘・嘔吐・下痢など)もみられるようになります。

その際は1回あたりの給与量を少量にし、複数回与えることで、消化への負担を減らしましょう。

小型犬のドッグフードの適正量

超小型犬や小型犬は口が小さく、大型犬に比べて噛む力も強くないので、粒が大きすぎないフードを与えましょう。

小型犬のドッグフードの給与量は、活動係数を参考にしながら計算します。

活動量や生活環境などが個々で異なるので、愛犬の体重をはかって係数を調整しましょう。

活動係数はこちら

1日あたりのドッグフード給与量の計算方法はこちら

大型犬のドッグフードの適正量

大型犬には、口の大きさに合った噛みごたえのある大きい粒のフードが向いています。

大型犬のドッグフードの給与量は、活動係数を参考にしながら計算しましょう。

活動量や生活環境などが個々で異なるので、愛犬の体重をはかって係数を調整してください。

活動係数はこちら

1日あたりのドッグフード給与量の計算方法はこちら

ダイエットしている犬のドッグフードの適正量

ダイエット中は低カロリーなダイエット用フードを与えると、給与量を極端に減らさずに必要な栄養素もとることができます。

活動係数は以下のとおりですが、体重をこまめに測りながら、肥満度によって係数を調整してください。

成犬係数
活動量が少ない・肥満傾向1.2

体重の変動を見て、その都度係数を変えて計算しましょう。

1日あたりのドッグフード給与量の計算方法はこちら

ウェットフードの適正量

愛犬にウェットフードを与えている方も多いかと思います。

ウェットフードはドライフードに比べて水分量が多いため、100gあたりのカロリーが低いのが特徴です。

そのため、ドライフードと同じ量を与えていると、栄養素もカロリーも不足してしまいます。

様々なウェットフードが販売されていますが、パッケージに書かれている100gあたりのカロリーで計算すれば、ドライフード同様、1日あたりのフードの給与量がわかります。

係数は、愛犬の体重をはかって過不足があれば調整しましょう。

活動係数はこちら

1日あたりのドッグフード給与量の計算方法はこちら

1日あたりのおやつの適正量は?

愛犬が嬉しそうに食べているおやつ、おねだりされるとついつい与えたくなってしまいますが、おやつは1日あたりどのくらい与えてよいのでしょうか。

ドッグフードが主食の場合、栄養バランスを崩さずに与えられる量として、おやつはDER(1日に必要なエネルギー要求量)の10%程度です。

では、おやつを与えた場合、1日あたりのドッグフード給与量はどのくらいになるのか、計算してみます。

おやつを与える場合の1日あたりのドッグフードの給与量を計算する

おやつを与える場合、主食のドッグフードはDERの90%です。

「DERが376kcal・MEが358kcal/100gの犬の、1日に必要なドッグフードの給与量は105g」という一例を前述しましたが(詳細はこちら)、おやつをDERの10%与える場合のドッグフード給与量の計算をしてみます。

376×0.9÷358×100=94.525…

よって、おやつを与える場合の1日に必要なドッグフード給与量は95gとなります。

まとめ

今回は、1日あたりのドッグフード給与量の計算方法を、例をまじえながら解説しました。

同じ体重の犬でも、年齢や活動量、健康状態、生活環境によって1日に必要なエネルギー量は違います。

フードのパッケージに書いてある「給与量の目安」で愛犬にごはんを与えていて、体重管理がなかなかうまくいかずに悩んでいる方は、是非愛犬のフードの適正量を計算してみてくださいね!

よかったらシェアしてね!
  • URLをコピーしました!
目次