きゅうりは、夏の水分補給として人気がある野菜です。
夏野菜でありながら1年中販売されているので、食卓にあがる機会も多いですよね。
犬はきゅうりを食べられますが、様々な注意点があります。
今回は、きゅうりはいつから食べられるのか、食べても太らないのか、与える量や大きさ、栄養など、ペットフーディストとしてきゅうりについて詳しく解説します!
犬はきゅうりを食べられる
きゅうりは犬に害となる成分が含まれていないため、人間と同じように食べられます。
きゅうりの皮もそのまま食べられますが、皮はかたくて消化もしづらいので、皮をむいて小さく切って与えるのがおすすめです。
また、皮に農薬が残っている可能性もありますので、皮がついたままきゅうりを与える際は、よく水で洗いましょう。
きゅうりの種は、特に取り除く必要はありません。
人間もきゅうりの種を気にすることなく食べていますので、犬も同じように種は食べられます。
持病がなく、ウリ科のアレルギーでなければ、きゅうりはおやつやトッピングになる食材です。
きゅうりは生で食べてもいい?
生のきゅうりのシャキシャキとした食感が好きな犬も多いですよね。
きゅうりは生で食べてもよい食材です。
生で食べることで、カリウムや水溶性ビタミンであるビタミンCなどの栄養素を減らさずに摂取することができます。
毎日きゅうりを食べても大丈夫?
きゅうりは約95%が水分で、犬に害となる成分が含まれていないため、持病やアレルギーがない犬なら、毎日きゅうりを食べても大丈夫です。
ただし、皮には不溶性食物繊維が多く含まれていて消化しづらいため、一度にたくさんは与えずに、様子をみながら少量づつ与えましょう。
たくさん食べて下痢にならないように気をつけましょう!
子犬からきゅうりを食べられる!
きゅうりは子犬からシニアまで食べられる野菜です。
しかし、子犬は消化器の機能が未熟なため、きゅうりを与えるときは特に注意しましょう。
もともと犬はよく噛んで食べる習慣がありません。
喉をとおる大きさになった食べ物を、そのまま丸のみすることが多いのです。
そのため、子犬にきゅうりを与えるときには、消化に悪い皮をむき、すりおろすと良いですね。
一度にたくさん食べると消化不良をおこすこともありますので、少しづつ与えるようにしましょう。
時々吐いたり、便がゆるくなることがある1歳未満の子犬は、きゅうりは食べない方がいいですね。
特に成長期の子犬は、バランスのとれた食事をとることが大切なので、きゅうりを与えすぎて主食が食べられないことがないように気をつけましょう。
1歳以降の犬は、個体差はあるものの消化器が発達しているので、持病やアレルギーがない犬には安心してきゅうりを与えることができます。
きゅうりを食べると太る?
きゅうりは1本(約100gあたり)13kcalと、とてもカロリーが低い野菜です。
低カロリーなため、肥満予防やダイエットをしている犬のおやつやトッピングに適しています。
低カロリーだからといって食べ過ぎては逆効果ですが、適量をトッピングしたり、いつものおやつの代わりにきゅうりを与えることで、満腹感があるきゅうりは太る心配がない食材といえるでしょう。
きゅうりの主な栄養素
ここで、きゅうりの主な栄養素をご紹介します。
水分
きゅうりは約95%が水分でできています。
水分補給や体温を下げる効果がありますので、夏には最適な野菜ですよね。
その反面、冬にきゅうりを与える場合は、身体が冷えすぎないよう量には気をつけましょう。
また、きゅうりを多量に食べると、水分のとりすぎで下痢をする可能性があります。
ビタミンK
ビタミンKは、骨にカルシウムを沈着させ、骨の形成を促進させる働きがあります。
また、血液の凝固を助ける成分です。
ビタミンKは体内で合成されますので、総合栄養食を与えていればビタミンKが不足することはありません。
健康な犬が無理にきゅうりを食べる必要はありませんが、シニアになると骨がもろくなってきますので、ビタミンKを多く含むきゅうりを食べると、骨を丈夫にする効果も期待できます。
銅
銅はミネラルのひとつで、体内の多くの代謝反応に必要な成分です。
きゅうりには銅が比較的多く含まれていますが、通常のごはんやおやつで、銅を過剰に摂取することはありません。
しかし、一部の犬種で、銅が肝臓に過剰に蓄積してしまう遺伝の病気があることがわかっていますので、注意が必要です。
- ベドリントン・テリア
- ウエスト・ハイランド・ホワイト・テリア
- ドーベルマン・ピンシャー
- ダルメシアン
- ラブラドール・レトリーバー
- コッカー・スパニエル など
心配な方は、獣医師に相談しましょう。
ビタミンC
ビタミンCは、免疫機能の向上や抗酸化作用、コラーゲンの合成に必須なビタミンです。
ビタミンCは水溶性のビタミンで、加熱すると栄養素が減ってしまいますので、生で食べると効率よく栄養素を摂取できます。
人間と違い、犬は体内でビタミンCを合成できるので、総合栄養食を与えていればビタミンCが不足することはありません。
しかし、ビタミンCは多量に摂取しても蓄積せずに体外に排出されるため、きゅうりやビタミンCを含む食材をおやつやトッピングなどで与えても問題にはならないでしょう。
カリウム
カリウムは、細胞や神経、筋肉が正常に機能するために必要なミネラルです。
電解質のひとつであるカリウムは、体内の水分量のバランスを調節したり、腎臓がおしっこを作るときに必要な働きをします。
カリウムは体内で生成できないため、フードから摂取しなければなりません。
腎臓が悪い犬はカリウム摂取の制限をする場合があるため、獣医師に相談しましょう。
きゅうりにはカリウムが多く含まれていませんが、腎臓に不安がある場合は注意しましょう!
βカロテン
βカロテンは植物に含まれる色素のひとつです。
特に皮の部分に多く含まれているβカロテンは、体内で必要量に応じてビタミンAに変換されます。
抗酸化作用があるため老化防止に期待でき、皮膚や粘膜の維持、免疫力の強化、がんの予防など、健康でいるための重要な働きをします。
きゅうりにはそれほど多くのβカロテンが含まれていないので、きゅうりを適量与えてもβカロテンをとりすぎる心配はありません。
食物繊維
きゅうりは、100gあたり1g前後と、セロリやキャベツと同じくらい食物繊維が多く含まれている野菜です。
特にきゅうりの皮は不溶性食物繊維が豊富で、便をやわらかくする効果があるので、便秘解消も期待できます。
しかし、食べすぎると吐いたり便がゆるくなってしまう可能性もあるので、様子をみながら適量を与えましょう。
お腹がよわい犬には、皮をむいてすりおろして与えるといいですよ!
ホスホリパーゼ
きゅうりには、ホスホリパーゼという酵素が含まれています。
脂肪を分解するといわれているホスホリパーゼは、加熱に弱いため生のまま食べるとよいのですが、犬への効果はまだわかっていません。
元々きゅうりは低カロリーで満腹感のある野菜ですので、フードへのトッピングやおやつに食べるとダイエット効果が期待できます。
犬に与えるきゅうりの適量
きゅうりは、犬に必要な栄養素がすべて含まれている食材ではありません。
そのため主食は、犬に必要な栄養素がバランス良く配合された、総合栄養食のフードにしましょう。
きゅうりは主食ではなく、おやつやトッピングとして適量を与えます。
犬に与えてよいきゅうりの量は、厳密には決められていません。
前述したとおり、きゅうりには水分と食物繊維が多く含まれており、食べ過ぎると嘔吐や下痢をする可能性があるため、様子をみながら少量づつ与えていきます。
- きゅうりをおやつとして与える場合は、栄養バランスを崩さずに与えられる量として、1日に食べるフードの10%程度とします。(主食のフードが90%、おやつが10%です。)
- きゅうりをトッピングとして与える場合は、主食のフードを減らし、栄養バランスが崩れないように、1日に食べる主食の10~20%程度を目安とします。(主食のフードが90~80%、トッピングが10~20%です。)
年齢や活動量、健康状態によっても適量は違ってきますので、様子をみながら少量づつ与えるようにしましょう。
また、きゅうりだけではなく他の食材もおやつやトッピングで与える場合は、その分も含めて主食・トッピング・おやつの割合を計算して与えます。
主食のドッグフードの適量については、こちらをご覧ください!
きゅうりの与え方・生
きゅうりは生でそのまま食べられる食材ですが、食物繊維が多く含まれているため、消化器に負担がかかる可能性があります。
- 子犬
- シニア犬
- お腹がよわい犬
- フードを丸のみする犬
- 超小型犬~小型犬(喉につまらせないように)
消化が気になる方は、以下の方法を試してみてください。
きゅうりの皮はかたく、不溶性食物繊維が多く含まれています。
皮をむいて与えることで、消化不良や嘔吐・下痢のリスクを軽減させることができます。
小型犬やフードを丸のみする犬に大きく切ったきゅうりを与えると、喉につまらせてしまう可能性があります。
そのため、小さく切るか、きゅうりをすりおろして与えることをおすすめします。
すりおろすと消化しやすく、お腹に負担がかかりません。
嘔吐や下痢、アレルギー症状がないか、犬の様子を注意深く見ながら少量づつ与えていきます。
きゅうりの与え方・ゆでる
きゅうりは生で食べられる食材ですが、ゆでて与えることもおすすめします。
きゅうりにはシュウ酸が含まれており、シュウ酸を多量に摂取しつづけると、シュウ酸カルシウム結石という尿路結石になる可能性があるからです。
シュウ酸は、たっぷりのお湯でゆでると減らすことができます。
きゅうりにシュウ酸は多く含まれていないため、きゅうりが原因で尿路結石になることは考えにくいですが、シュウ酸が心配な方は、ゆでて与えてみてください。
また、ゆでることで食物繊維がやわらかくなります。
- シュウ酸が心配な方
- 結石ができやすい犬・尿路結石の犬は獣医師に相談しましょう!
- お腹がよわい犬
しかし、ゆでるとカリウムやビタミンCは水に溶け、栄養素は減ってしまいますので、どちらも一長一短ですね。
シュウ酸は水溶性のため、ゆでることで減らせます。
食べる大きさに切ってからお湯でゆでると、シュウ酸がとけだしやすくなりますよ。
たっぷりのお湯でしっかりゆでると、シュウ酸を減らし、食物繊維もやわらかくなるのでおすすめです。
きゅうりをゆでた汁は捨てましょう。
ゆで汁の中には、とけだしたシュウ酸が含まれています。
生で与えるときと同じように、嘔吐や下痢、アレルギー症状がないか、犬の様子を注意深く見ながら少量づつ与えましょう。
犬にきゅうりを与える際の注意点
きゅうりを与えるときに注意する点をご紹介します。
ヘタや苦味のあるきゅうりは与えない
苦み成分ククルビタシンは、未熟なきゅうりに含まれています。
人間がククルビタシンを多量に摂取すると、嘔吐や下痢などの症状がでることがあるので、身体の小さな動物は少量でも嘔吐・下痢を引き起こすかもしれません。
犬にきゅうりを与える前に、まず人間が味見をして、きゅうりが苦くないか確認します。
スーパーなどのお店で売られているきゅうりには未熟ななものはほとんどありませんが、家庭で育てているきゅうりを収穫して食べる際には注意しましょう。
また、きゅうりのヘタにも少量のククルビタシンが含まれています。
きゅうりを与える際には、必ずヘタをとりましょう。
きゅうりの加工食品は与えない
きゅうりの加工食品は、漬物やキムチ、ピクルスなどがありますね。
これら加工食品には塩分が多く使われ、調味料や保存料など、犬の健康を害するおそれがある成分が含まれています。
塩分を多量摂取すると腎臓に負担がかかりますし、調味料の中には犬が食べてはいけないものが含まれているかもしれません。
たとえ犬がほしがったとしても、きゅうりの加工食品を与えてはいけません。
加工品の表面を水で洗い流したとしても、中まで調味料がしみこんでいますので、少量であっても与えないでください。
アレルギー、腎臓病、尿路結石症の犬は獣医師に相談する!
腎臓病や尿路結石症、服薬中の犬は、きゅうりを与える際には獣医師に相談しましょう。
持病がある犬も、カリウムやシュウ酸が病気に悪影響を及ぼす可能性もありますので、注意してください。
以前にウリ科の食材を食べてアレルギー症状がでた犬は、きゅうりを与えるのはやめましょう。
また、銅の摂取に注意した方がよい犬種は、心配でしたら獣医師に相談してください。
心配な方は獣医師に相談しましょう!
病気やアレルギーの注意点は、以下の記事をご覧ください!
まとめ
今回はきゅうりについて詳しく解説しました。
低カロリーで満腹感のあるきゅうりは、おやつやトッピングに適した食材です。
与え方や適量、注意点を参考にしていただき、愛犬と幸せなおやつ・ごはんの時間をお過ごしください!